多忙大学生が自転車で行く日本一周

課題に追われる大学生が日本一周の出来事を記す備忘録的なブログです

104日目 根室と本土最東端を楽しむ! 根室→根室

<2021年9月8日>

こんにちは。今日は自転車では根室の街から日本本土最東端の納沙布岬へ行って帰ってきます。それで大体40kmくらいなので1日で走るには余裕があります。そのため、今晩泊めていただいた井川さんの家でやっている昆布干しの作業を手伝わさせていただき、他にも根室の観光をして1日を過ごそうと思います。そして、今晩に関しても井川さん宅の昆布小屋に泊めさせていただけることになりました。今日で端の方に進んでいたのも折り返して、明日以降は帰り道になりますね。

起床は6時ごろでした。昆布干しのお手伝いが何時ごろだったかちょっとわからなくなってしまったので早めに起きておきますが、とりあえずはまだ作業していないようなので大丈夫です。しかし左目は一晩寝ても痛みは引かず、目を開けるのも大変な状態でしたので井川さんの勧め通り病院は行っておきたいです。

目が覚めてからしばらくするとガラガラと音が鳴り、井川さんの家族のおじいさんがやってきて昆布をちょうど良いサイズにしてまとめていました。これが昆布小屋でやる作業で、乾燥した昆布は僕の寝ていた2階の部分に運ばれてきます。それを朝のこういった時間にまとめているのでしょう。1階の倉庫の部分から2階へとものを運ぶ用のエレベーターがついており、これで2階へ昆布を運んでいました。

おじいさんと少し話をして、僕は朝食を食べに倉庫の1階部分にいきました。1階は倉庫の部分以外に休憩用のちょっとしたくつろぎスペースがあります。昨日も井川さんとはここで話していましたが、その時話題になった花咲蟹の汁、カニの甲羅をそのままいれたようなものは食べたことがないと言ったら井川さんが明日に作っておいてあげるということでこれをいただきます。ちなみに根室では蟹を入れた味噌汁を鉄砲汁と呼び、郷土料理にもなっています。

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井川さんは朝は別の用で来られないので、言われたように奥のキッチンにある鉄砲汁を自由に温めていただきました。花咲蟹は身が取りづらいですがしっかりと出汁が出ており、カニの香りがするとってもおいしい味噌汁でした。朝食はそれ以外にも井川さんが働いている某コンビニで余った弁当をいただきました。井川さんは食べ物の廃棄問題についても思うところがあるみたいで、たくさん出るコンビニの廃棄をみんな持って帰ったりしています。そのため弁当は2桁いくんじゃないかっていうくらいの数があり、いっぱい食べてと言っていましたので朝は豚丼をいただきました。

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そんなことをしていると外から車の音がして、何人かの女性が昆布を干す作業を始めました。井川さんがいないのでどうなのかなと思っていましたが、これは隣の家の人みたいで砂利の場所の線で仕切られた向こう側にどんどん昆布を並べていました。しばらくすると井川さんの家の昆布がやってきて、ここから昆布干しを始めます。だいたい時間は9時前です。

井川さんともう一人のお手伝いの方にレインコートと軍手を貸していただいたら干し方を教えてもらいました。トラックで運ばれてきた昆布はクレーンでどんどんおろされ、そこに山になっている昆布を僕らが運んで重ならないように並べていきます。1本の昆布が3mとかあって分厚いのでそれなりの重さがあります(特に根室の昆布は肉厚で、出汁もいいですが食べる用に最適みたいです)。片手に3本くらいの昆布を持ち、それを引きずりながらもっていきます。ねじれた部分は直してできるだけ日光が当たるようにしますが、今日は雲もあるのであまり乾燥しなさそうに思います。とりあえず最初は大変というようなことはありませんが、確かに評判通り、続けていると腰にきそうな仕事ですね。

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そしてある程度並べたところで時間になったので病院にいきました。井川さんに車を出していただき、病院に着いたら分かれます。根室病院はもちろん僕は初めてなのでまず診察券を作りました。その際に保険証を見せましたが、ちゃんと持ってきていてよかったなと思ったシーンです。

2時間ほど待ち、診察をしてもらいました。おそらく、本当なら今日は眼科が開いていない日なのに診察してくださって本当に助かりました。目の撮影のために痛みを我慢して目を開け続けるのは大変でしたが、診断結果は重大なものではなくてよかったです。黒目の部分に菌が入って写真でも確認できるくらいになっていましたがおそらく1週間ほどで治るものみたいです。自転車で旅をしていることに関しても、コンタクトはつけずに眼鏡であれば先へ進んでもよいとのことです。念のために目の菌を採取して培養し、これから先でもし悪化しても、その時に駆け込んだ病院で菌に関する情報を出せるようにしてくれました。ということで一安心。目薬と夜寝る時用の軟膏を処方してもらいました。

薬局で薬を受け取ったら井川さんに連絡し、車で迎えにきていただきました。そして昆布の作業に戻りますが、干す作業はもう終わっており今度は一面に並んだ昆布を乾燥室に運んでいく作業になります。昆布の渇き具合はこれだけしか時間が経っていないのでもちろんまだ濡れている感じがあります。僕はこの砂利の上で最後まで乾燥させるのかなと思っていましたが、実際にはある程度干したら乾燥室で機械の力を使い完走させるようです。ちなみに乾燥には値段の安い重油を燃料として使うのですが、その値段も最近は高くなってきていて家計を圧迫してきているらしいです。

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乾燥室で干すには木の棒に昆布を吊るしていきます。2つ1組で昆布の端を糸で繋がった洗濯クリップで挟みます。そして糸の部分を棒に引っ掛けて、だいたい1つの棒に10組の昆布を吊るします。まずは前後に5組ずつ糸を通し、木の棒の中央を肩にのせて運んで行きますが、多少水分がなくなったとはいえこの量の昆布はとても重いです。昆布干しの中で大変な作業はこちらの方でしょう。乾燥室の中へ運んで棒を印の位置に引っ掛けたら再びこの作業を繰り返していきます。地面に引きずるような長い昆布は、その部分をさらに木の棒に引っ掛けました。

作業は14時半ごろまで続きました。最後は使い物にならない昆布と砂利に落ちたゴミなんかを拾って捨てました。ちなみに昆布を干す場所以外の、道路から小屋の前なんかも全部砂利でしたので荷物を積載した自転車でここまで来るのはかなり大変でした。作業のあとは小屋の1階に戻り、今度は廃棄の分の餃子弁当をいただきました。

ご飯を食べたら本土最東端を目指して自転車で走ります。ちょっと出発が遅くなりましたが距離を考えても問題はなさそうです。井川さんは荷物は置いていったらと言ってくださいましたが、自分ルール的なもので最東端までも荷物をしっかり積載して戻ってきます。15時になる前には出発できました。

道道35号線を反時計回りに走っていきます。ここからは最東端のOOラッシュです。まず最初は日本最東端のコンビニで、セイコーマートうちやま歯舞店です。特に根室の方は本当に日本の東の端なので、鹿児島の本土最南端のスーパーなんかとちがって正真正銘の端になりますから。けれど特に観光地っぽくなっているわけでもなく、日本最北のマクドナルドとかは看板がありましたけどここはありません。お客さんがけっこういて、地元の人が多かったのが意外でした。商品を運ぶトラックはこれより先は何もないのでこのコンビニに荷を下ろしたら引き返していくのです。

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コンビニで食べたかったプリンを買ったらまた走り始めます。次にあったのは郵便局です。特に最東端の郵便局だとかの情報は調べていませんでしたが、ここまで来るとだいたい最東端なのでそのまま通り過ぎずに止まってみました。それでよくみてみると日本最東端の郵便局の文字がありました。中には最東端の郵便局スタンプもありましたので押して、写真を撮って次です。

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珸瑤瑁郵便局の先はすぐに今度は日本最東端のお店がありました。井川さんから聞いていたお店はここでしょう。大きな看板に最東端のお店と書かれていたので分かりやすいです。さらには日本最東端ガラナが売っているというのでこちらも寄っていくことにしました。お店の中にはけっこうたくさんのガラナが売られていますが、思っていたよりもコンビニっぽい感じです。最近はお土産も溜まってきましたしちょうど良いのでお土産用にガラナを買い、一緒に送ってしまおうと思います。

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さて、ここから納沙布岬までは残り3km程度となりました。道の周辺には小さな風力発電の風車がたくさんありましたが、ゆるいカーブを曲がっていくと遠くにタワーが見えてきます。オーロラタワーという名前のこの建物も井川さんが言っていた最東の展望タワーになります。このタワーは納沙布岬を見るためのタワーですからいよいよ最東端も間近ということになり、35号線が90度に曲がるところまで来たら小道を進み、まもなく本土最東端の納沙布岬灯台に到着しました。

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これにて日本本土の4極端を制覇です!けれども特別な達成感があるかといえばそうでもなく、まだまだ旅の途中でこれからも漕いでいくんだぞーっていう気持ちでした。天気はちょっと残念な曇り空で、思い返してみれば今までの4極端は晴れた天気でしたね。灯台のあたりで写真を撮って歩いてみましたが、どうやらここには本土最東端の石碑などは置いていないみたいです。なのでGoogleMapに載っている本土最東端の碑へ行ってみます。

少し道を戻ってお土産屋さんの駐車場のあたりへ行くとそこに本土最東端の碑があります。こちらで写真を撮り、記念としました。曇り空で全体的に白い感じの写真になってしまうのが残念です。

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その後は納沙布岬周辺の施設などを回りました。まずはお土産屋さんへ行って、証明書やらステッカー、フラッグなどの記念品を買います。

次は4島のかけ橋というオブジェクトと写真を撮り、北方領土資料館を見学しました。4島のかけ橋は北方領土の返還運動としてつくられたものであり、他にもいくつかのモニュメントなんかがありました。そして北方領土資料館は無料の施設ですが入場すると北方領土返還運動のフラッグがもらえます。なるほど、これまでみてきたライダーさんたちがこの黄色いフラッグを持っている率が高かったのはこういうことですか。それから4極端証明書もこちらでいただきます。これで4極端証明書は全て集まったので家にある証明書と合体をすることができますね。

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4島のかけ橋はかなり大きいです

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歯舞との間の海に灯台があり、これが国境になります。
鐘の画像に点くらいの大きさで写っていますよ!

北方領土資料館に展示されている内容は、北方領土の歴史とそこに住む人々の生活が中心でした。なので日本文化とのつながりの強さなんかが強く感じられましたが、井川さんが話してくれた根室の漁師問題のような怒りのようなものはそこまで湧き上がりませんでした。こういったものはもしかしたらコロナで休館しているもう一つの北方館へ行くとわかるのかもしれません。

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こうして納沙布岬でいろいろと観光できました。ただ一つ、前々からお勧めされていた鈴木食堂というお店が今日は来るのが遅かったせいで閉まっていました。ここでサンマ丼を食べたいという気持ちはどうしても諦めきれなかったので、もしかしたら明日にもう一度納沙布岬まで食べに来るかもしれません。それも明日の走る距離によるでしょうが、荷物を井川さんの小屋に置かせていただければ多少の無理ができるかもしれません。

北方領土資料館をでたのは17時になっていました。ここからは根室の市街地に戻り、これまた以前からお勧めされていた回転寿司に行こうと思います。帰り道側は特に建物もない原野を走っていくのみでしたから。

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これは放牧している馬ですね

最東端のOOといったものは無く、綺麗な景色を楽しみながら帰っていきました。途中で日が暮れ始めてオレンジと紫の空を見ました。しかし、アップダウンが激しくて疲れるのはこの辺でも相変わらずです。

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そして、目的の根室の回転寿司花まるに到着したのは18時半で、もう真っ暗です。お腹もペコペコで疲れているので今日は金額を気にせずにとにかく食べまくろうと思います!自分のお金で無制限に寿司を食べるのも出発時点にやりたいなと思っていて、根室まで取っておいてありました。

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カウンターに座ってみると、まずレーンが2つあることにちょっと驚きました。2段構造になっていて上の段には普通に寿司が流れていますが、下の段には湯呑みや醤油皿が流れています。注文のシステムは紙に注文するネタを書き、渡します。メニューは百円の回転寿司では見慣れないものや、マグロやサーモンもいくつか種類があって気になります。とにかく興味のあるものは紙に書き込みました。

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でてきた寿司は、北海道の友人に聞いていた話のとおりネタがとても大きかったです。分厚さもあって食べ応えもありました。ホッキ貝の貝ひもは初めて食べましたが思っていたよりも臭みがありましたね。花咲蟹の軍艦は今日の朝のように身を取る難しさを知っているので、そこをスキップして美味しくいただけるのが嬉しかったです。

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こうしておなかいっぱい寿司を食べ、大満足でお会計をしました。さて、ここまで食べるとおいくらになるのでしょうか。レジにでてきた金額はなんと、4444円でした。えぇ…。昨日は累計走行距離がゾロ目になった場所とかでかなり驚きましたが、今日もまた奇跡的なゾロ目を出してしまいました。それもちょっと4という数字に好かれているみたいですね。びっくりです。

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お会計を済ませたら、井川さんの昆布小屋へ戻る前に、今日最後の最東端である、東根室駅へ行こうと思います。まずは回転寿司の近くの根室駅へ寄ってみると予想通りスタンプが置いてありました。日本最東端の駅は隣の東根室駅になりますが、終着駅として考えてみるとこの根室駅も日本最東の終着駅になりますからそういったスタンプが置いてありました。

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根室駅!

根室駅をたってすぐに東根室駅があります。細い歩行者用のトンネルをくぐって線路のホームのある側へ、階段を上ると木製のプラットフォームでした。キシキシと音が鳴って雰囲気があります。駅名表示と日本最東端の駅の碑と一緒に写真を撮影して、これでJRの4端の駅もコンプリートしました!

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それから自転車を階段に止めた時に気づきましたが、階段の下にコンテナBoxがありましたのでちょっと見てみると中には予想通り駅ノートが入っていました。乾燥剤と一緒に、ファイルの中に入れてありましたが辺りが冷えるせいか、ファイルとかが少し湿っていました。僕もその駅ノートに一言書かせていただき、昆布小屋へと戻っていきました。

さて、というわけで21時半に戻ってくることができて今日も終了です。明日は釧路方面へと走っていく予定ですが、釧路までは1日で行けないため途中の厚岸(あっけし)あたりまでとなりそうです。そして走るのは北太平洋シーサイドライン。アップダウンが多くて大変ですが自然の中を走り景色の良い道をいきます。厚岸までの距離を考えてみると、納沙布岬の鈴木食堂へ行くのも大丈夫そうです。ただしそこで問題になるのが時間で、鈴木食堂は9時開店なのでそれに合わせて後の予定になります。合計すると100kmは走る予定なので、明日は鈴木食堂の開店時間に納沙布岬に到着しているように時間を考えて出発しましょう!

今日のまとめ

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走行距離    50.60km
走行時間    2:54.31

食費     4709円
ステッカー等 3310円
お土産代    976円
診察代    2630円

計     11625円