多忙大学生が自転車で行く日本一周

課題に追われる大学生が日本一周の出来事を記す備忘録的なブログです

128.5日目 名古屋行きのフェリーと今回の旅の感想 (仙台港)→(名古屋)

<2021年10月2日、3日>

こんにちは、それでは前回の続きの船に乗ってからのことを書いていこうと思います。

フェリーへ自転車で乗り込み、いつものように自転車を固定してもらいます。ここでいつもと違うのは車が置かれる車両甲板が2階建てかそれ以上あることですね。それだけでいつも乗っているフェリーとは大きさが違うのがわかります。自転車を置く階は入り口からすぐの階で、トラックなどと一緒です。普通の乗用車は奥のスロープから上に行くみたいで、長距離フェリーになるとこんなにも車両を載せるんだなとびっくりします。

車両甲板から客室へ上がりますが、やはり今までの船とは違って吹き抜けのエントランスがあるなど、まるで豪華客船ですよ!最も、本物の豪華客船はこんな程度ではないと思いますが、ショップの区画があったり、お風呂やレストラン、カフェがあるのは今までに無い違いです。レストランは乗船後でも食券を買うことができて(予約が必要ないという意味)、買い物ができなくて食事をどうしようかと考えていたので助かりました。飲み物もショップや自販機がありますし。最も、こんなことで悩むのは今まで乗ってきた短距離フェリーの常識で考えていたからですが。

船に乗ったらすぐに出港で、デッキにのぼって外の景色を眺めました。船が大きいのでデッキも高く、いい感じに景色がみれますが、逆に海面から遠いので臨場感は少なめですかね。港から離れて少しすると朝に行った花淵灯台が見えます。再び仙台へ訪れる時はおそらくあの灯台が出迎えてくれることになるでしょうか。

花淵灯台、山に白いのが見えますか?

仙台がまだ見えるところで放送があり、姉妹艦のきそとすれ違うということでまたデッキへ行って見てきました。今回乗船する太平洋フェリーは名古屋ー仙台ー苫小牧を結ぶ路線で、船も3隻を使って運行されています。僕が乗っているのが「いしかり」で、すれ違う「きそ」、あと1隻は「きたかみ」です。共通点を考えるなら、それぞれ3地方を流れる大きな川の名前ですね。すれ違いのタイミングでお互いに汽笛を鳴らして、きそは仙台港へと向かっていきました。

では今度は部屋の紹介をしたいと思います。今回の部屋は最も低いグレードの2等です。カーペット敷きで、そのままごろ寝するスタイルです。ですが、長距離フェリーということでマットレスや枕なんかもついていて僕は寝るのに困ることはありませんでした。軽くカーテンで仕切られていますが、同じ部屋には他に1人しか居なかったので特に気にせず過ごしました。ただ、コンセントが確か壁際についていて、僕は一番壁に近かったので特に問題ありませんでしたが他の場所だと面倒で、また数も足りなくなるかもしれません。詳しくは覚えていませんが。

まあ、基本的にホールの椅子に座って外でも眺めながら過ごせば良いので、寝ることさえ問題なければグレードはあまり関係なさそうです。名古屋まで長い時間ですが、僕はホールでパソコン作業をしたりして全く快適でした。

出港後、デッキで景色を見た後は部屋へ戻り、早速お風呂へ行くことにしました。最初は長距離フェリーなんだからシャワーくらいはあるかもしれないと思い、お風呂セットを持ってきて大正解だったのです。車両甲板には出港後は戻れませんから。大浴場はしっかりしており、お風呂に入りながら海の景色が眺められるようになっていました。早めの風呂でしたが、昼の外が見られる時だったのも正解です。体を洗い、疲れを癒します。船が揺れると浴槽のお湯も大きく揺れ、溢れ出すこともありました。これは船ならではの特徴ですね!なかなか新鮮で面白かったです。

お風呂に入ったら作業をしたりで時間を過ごしました。意外と太平洋フェリーの航路では電波が届くみたいでほとんど困りません。何もない場所を渡るこれまでのフェリーとは違って、沿岸部に沿って行くために陸地の電波がここまで届くんでしょうね。そして18時、夕食の時間になります。僕の乗船券には夕食が付いていないので券売機で券を買います。2100円と、値段だけ見れば少し戸惑いますが食べ放題ですし、お腹が空いているので迷いませんでした。

ビュッフェ形式で好きなものを選んで皿にとります。味については正直、冷凍食品っぽさが否めませんが保存も考えるとこうなるのも当然でしょう。個人的には冷凍食品ではなかろうサラダが一番美味しく感じましたが、逆にジャンキーさのあるものをお腹いっぱいまで食べることがちょっとした罪悪感と多大な幸福感を与えてくれるというのもあります。

おかわりをたくさんして完食する!

お腹がいっぱいになったら眠くもなってくるので部屋へ戻りゆっくりしていました。21時半くらいになると千葉県の銚子あたりまで来ましたが、外がだいぶ雨みたいで揺れもちょっとあります。デッキは夜ですしだいぶ前から閉鎖されていますが、ふと窓から外をみてみるとなかなかすごいことになっていました。雨が強烈なのでデッキに水がものすごく溜まっています。それが揺れで動くのでデッキ上では波ができるのです。もし外にいたならば雨がなくても膝下はぐしょ濡れになること間違いなしです!

雷の瞬間の明るい画像です

というところで眠さもあり就寝しました。そして翌日、起きたのは8時半くらいです。なんと船は遅れを取り戻しほぼ定刻通り到着見込みです。地図を見ても愛知県に入っており驚きです。割と全速力で来たのでしょうか。ともかく、僕は朝ごはんを食べたいので自転車から持ってきたカップ麺を持ち、ホールのテーブルへといきました。

今回食べるのは根室で買った花咲蟹のカップラーメンです。カニはこんなかっていう感じなのと、わかめとかの乾燥具材とカニの入った袋が文字とか何も書いてなくてわかりづらかった点が気になりますが、まあ美味しかったです。そもそも花咲蟹の身を取り出すのってすごく大変ですからね。

そして10時ごろ、名港トリトンをくぐって名古屋港に入り、まもなく到着しました。作業とかをしていたらあっという間に到着してしまったように感じます。下船の準備をし、自転車にのっておりれば久しぶりの名古屋の地です。出口では両親も来てくれていてこれにて一件落着です。ここから実家に帰るわけですが荷物は車で運んでもらい、距離もそう遠くない慣れた道なので問題なく帰宅できました。

名港トリトン

 

というわけで、今回の日本一周北陸・東北・北海道編でしたが、その感想を書いていこうと思います。といっても、これを書いているのはほぼ1年後ですが、それまでに新しいインプットは(ほとんど)無いので当時感じていたことと近い内容が書けるかと思います。

まず最初は敦賀駅からスタートしました。初めて夏に走るということで暑さ対策はしっかりとしましたがやはり暑いし、最初に出てきた坂ですごく息切れをし、自転車の重さを思い出しました。この先大丈夫かとも思いました。季節は暑くなるが、北へ進むのでどちらに傾くかなと当時は思っていましたが、蓋を開けてみると北海道では割と冷夏で、青森で台風をやり過ごして以降は暑さに苦しむことはほとんどなかったと思います。とにかく、最初の頃や長野への坂をのぼっている時が印象的で、空気ではなく太陽の日差しが熱かったのが一番でした。

そしてしばらく走り、たま子さんと合流、富山の旅人の集いに参加しましたね。複数人の旅人が集まって話し合うのはあれが初めてで、かなりの衝撃というか自分の中の価値観が大きく変わった出来事でした。あれ以来、できるだけ旅人を含めた色んな人と話をしようと思いましたし、日本一周の旅が自分の力試しだけではない意味や価値を与えてくれると気付かされました。あれはもう、旅だけではなく人生の分岐点とも言えるほどの出来事だったと思います。

それ以来、他の旅人と一緒にテントを張って夜に話したりしました。話をしてみるとみんな自分の考えを持っていて、だから今こうしてるんだとか、今まで自分の視野だけで見ていた世界が、他人の視野からも見えてくるようになって本当にためになっていると感じています。

本州日本海側を走ったあとは北海道へ入りました。北海道といえばひたすら続く、景色の変わらない道というのを想像して楽しみにしてましたが、函館に着いて感じたのは多少道の幅が広いかな程度。けど、そこから小樽まで走る道は海沿いで楽しかったし、何より札幌以降の道。オロロンラインやエサヌカ線、十勝の道はこれぞ求めていたものだと言わんばかりにもう最高でした。ひたすら草原だけが広がる道を1日かけて走ったのはまさに自分が挑戦している気分になれます。

そして北海道といえばライダーハウス。オーナーの方はみな優しく振る舞ってくれましたし、そこに集まる旅人たちもみんなそれぞれの思いを持っているから話が弾みます。旅人が集まる北海道だからこその文化だと思いますが、これからもその文化が残り、また何度でも楽しみに行きたいなと思います。

それから、旅を通じていろいろな方にお世話になりました。食べ物をごちそうになったり、とめていただいたり、自転車を修理してくださったり。本当にありがとうございました。僕がお返しにしてあげられることは何かなと、その一つがブログで今を書くことだと思いますので、それがモチベーションにもなっていますね。

ということで北海道終盤にはスマホが壊れたりとアクシデントもありまして、落ち込んだ時期がありましたが本州に戻ってからも楽しんで旅を続けられたと思います。何せ1ヶ月も北海道にいたので北海道の印象が強くなった今回の旅でしたが、全体を通して自分が成長できたと感じる、とても良い旅だったと思います。まだまだ行き足りない場所も多いので、いつかはリベンジしにまた訪れたいものです。

それでは最後に、今回で最も印象深かったいくつかのものを書いて締めくくろうかと思います。

 

食べ物:襟裳岬のミステリーラーメン

:知床峠下り

坂:親不知

風:オロロンラインの追い風

雨:北太平洋シーサイドライン

疲れた:利尻山登山

ワクワクした:稚内礼文島へのフェリー

ヤバかった:恐山へ行くの失敗した日