多忙大学生が自転車で行く日本一周

課題に追われる大学生が日本一周の出来事を記す備忘録的なブログです

117日目 アクセス困難な秘境駅へ行く (札幌)→喜茂別→長万部

<2021年9月21日>

こんにちは、今日は二泊させてもらった友人の家を出発して再び自転車で走る日々に戻ろうと思います。バスで札幌から喜茂別まで戻り、そこから洞爺湖噴火湾を走って長万部あたりまで行く予定です。今日で長万部まで行くと明日に函館へ到着し、長かった北海道から本州へ戻ることになります。最後の北海道も楽しんで走っていけるといいですね!

起床は8時ごろで起きたら荷物をまとめていきます。今日も朝食を出していただいたのでありがたくいただきました。今日乗るバスは札幌駅を10時10分発なのでそれに間に合うように予定していましたが、友人が車で札幌駅まで送ってくれるということで9時半に友人の家を出発しました。友人の両親には3日の間、泊めさせてもらうだけでなく色々とご厚意にあずかり、本当にありがとうございました。

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友人の運転で札幌駅に到着、今度は時間に余裕があります。バスターミナルへどう行けばいいかを教えてもらって別れました。目的のバス停に僕が到着したのと同時くらいにバスがやってきて、並んでいた人が順番に乗っていきました。

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バスの帰りのルートは行きの時と同じように中山峠の道の駅で休憩を入れて2時間ほどで到着しました。行きの時に対向車線(帰りに通る側)がとても混んでいたのですが、渋滞に巻き込まれるとかもなくてよかったです。バスから外を見ていてちょっと驚いたのは、サイドバッグありで積載をした自転車を2回見かけたことです。僕はバスに乗りながらこんな道は走りたくないと思っていたわけですが、実際に走る人がいて驚いたのです。確かに中山峠の景色は綺麗ですが、道が危険ですからせめて積載なしとか何か対策がないと怖いですよ。

喜茂別のバス停に到着してからは自転車のある場所まで歩きます。急ぐ必要がないので前よりは楽ですね。公園の駐車場に戻って自転車がちゃんとあることを確認、コンビニでおにぎりを買って食べてから荷物を積載して走り始めます。

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2日ぶりの自転車です

まず向かうのは留寿都の道の駅です。喜茂別を出発したのが12時半なのでここの道の駅で昼食を考えています。自転車を漕ぎ出して230号線を洞爺湖方面へ行きます。本当に最初だけ来た道を戻ることになるのですが、戻る区間が終わる交差点を越えた直後、追い越していったタンクローリーが道の先で待っていて、窓から飯代!といってお金を渡してくれました。ありがとうございます!

そしてここからの道なんですが、5kmほど上りが続いたのが想定外でちょっと辛かったです。150mくらい上ると最高点になりますが、ここに遊園地があります。このような高原だから留寿都には遊園地やスキー場があるのですね。そこから道の駅ルスツまではすぐです。

到着したら売店などを覗いてみましたが、ちょうど手頃な昼食がなくてお昼ご飯はお預けになりました。調べてみても近くに定食屋などは無く、しばらく先まで行く必要がありそうです。その代わりに見つけたのが楓の樹液です。以前に白樺の樹液は飲みましたが、楓は初めてみたので飲んでみることにしました。

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といっても楓といえばメープルシロップです。メープルシロップは楓の樹液を濃縮したものなので、薄いメープルシロップの味なのは当然です。飲んでみるとやっぱりそんな感じ。水にメープルシロップの香りが乗っている感じです。しかし、白樺の時よりも味はある気がします。なので樹液に初挑戦するなら楓がオススメですね。

道の駅ルスツを出発して少し走ったら今度は軽トラが前の方で止まって人が降りてきました。話をしてみると、この方も旅人でルイさんという方です。今はこのあたりで滞在して働いているらしく、それで軽トラに乗っていたわけでした。ルイさんは旅をしながら五円玉を集めているので僕も五円玉を渡そうと財布の中を見てみたのですが残念ながらなくて渡せなかったです。

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立ち話だったので長くは話せなかったですが、ルイさんは今日、他にも人力車で日本縦断している人とも会ったらしく、方向が同じなので会えるかもしれないと言っていましたが残念ながらそれは叶いませんでした。しかし、ルイさんみたいに旅先で滞在して働くのもいつかやってみたいですね。

引き続き230号線を走っていきますが、一度上ってからはゆるやかに下りになっていて比較的気持ちよく走れました。天気が曇っているのが残念ですが。昼食をほとんど食べていない割には空腹が気にならず、12kmほどなのですぐに洞爺湖の道の駅に到着しました。

けれど残念ながら道の駅とうや湖にもしっかりたべられるものは売っていませんでした。なのでまた次の道の駅までご飯は持ち越しです。道の駅の建物がある場所からちょっと歩いた場所に洞爺湖の展望台があり、そこから景色を眺めてみましたがやはり天気が良く無いからか、そこまで綺麗には見れませんでした。

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道の駅とうや湖の次は道の駅とようらです。230号線は遠回りなので途中でショートカットをして向かいます。少し上り坂のある道でしたが畑の広がる場所で眺めはよく、そこまで大変ではなかったです。これが天気が良ければ最高だったのでしょうが。

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坂をのぼりきってからは急な下り坂になります。山の斜面に沿って車もあまり通らない、峠の下り道のようでした。坂をくだりきったら噴火湾まで出てきたことになり、37号線と合流してすぐに道の駅とようらへ到着しました。

今度こそ昼食と思っていましたがここもちょうど良いものがない。なのですぐ近くにあるコンビニで食べることにしました。代わりにこちらの道の駅では僕の目を引くものがありました。それがこの本、このイラストのタッチが見覚えある気がしたのです。

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あれか?と思うものを調べてみたらビンゴ!それはほとんど電車でしか行くことのできない駅に国道から歩いていくという内容の動画で、それをみた時にいつか行ってみたいなと思っていたのです。つい今まで忘れていましたが、その小幌駅というのが近くにあり、動画でみた国道が37号線だったのです。

これはもう行くしかありません。道の駅で売っている本はその小幌駅と周辺を特集したもので、動画作成者の水瀬さんが作られた本だったので購入しました。本を参考にして同じように歩いて小幌駅へ行ってみようと思います。

運が良いというか、ちょっと驚いた出来事でしたが、道の駅での用を済ませたらコンビニへ行ってカップ麺を食べてエネルギー補給です。今日の目的地の長万部までにはまだいくつか峠があり、小幌駅礼文華峠のあたりからアクセスすることになります。まずはそこまで走っていきましょう!できるだけ日が暮れるまでの時間を残すために急ぎめで。

実際に走っている時は峠が何個もあるとは思っていなかったので、もう峠をのぼり始めるのか・のぼりきったのかとか考えていましたが、実際はそんなに甘くなく大変でした。下りの区間は気持ちいいのですが、全体的にこのあたりは自転車で走るにはかなり危険な道ですね。

静狩峠というのがここの峠の一つなのですが、何か名前を覚えていたのは危ないと話題であったからですかね。路側帯が狭くてアップダウンが続き車通りも少なくないですが、一番やばいと思ったのはトンネルでした。歩道があるにはありますが、3分の2くらいは舗装がされておらず、とても自転車で走れる歩道ではありません。歩道の段差のために壁に寄ることもできず、車道を走っていて後ろからトラックの音が聞こえるともう怖かったです(車がトンネルに入った瞬間からその音はほぼ一定なので、どれくらい自分に車が近づいてきているかがわからないのが恐ろしいのです)。

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この画像のような歩道がトンネルでずっと続きます
ひどい部分は土嚢でしたよ

そして17時半ごろに礼文華峠へ到着。動画で見た場所とおそらく同じ場所へ来ることができました。ここからは自転車をとめ、歩いて小幌駅へ向かいます。

持ち物は小幌本とライトになりうるもの全てです。時間が微妙になってしまったので行きは大丈夫でも帰りは暗くなることがほぼ確定してしまいました。まあ、できる限り気をつけていこうと思います。

小幌駅秘境駅といったらここ!みたいな駅で、3方を山に、残り1方を海に囲まれています。駅のすぐ両側はどちらもトンネルになっており、なぜこの場所に駅を作ったのか?駅の利用者はいるのか?と存在理由が謎です。今いる37号線が最寄りの道路なのに、そこからでさえも標高差が100m以上あると言えばいかに異常かわかると思います。

37号線の礼文華トンネル出口から横に旧道があり、まずはそちらへ歩いていきます。もちろん舗装はされていません。車が通れるくらいの幅がありますが、絶対に車で通りたくない感じ。Google Mapにも道なんて記されていないので小幌本だけが頼りです。本には小幌駅から往復する順番で書かれているのでちょっと変な読み方をして曲がるべき場所を確認します。それっぽい場所だけど違う?疑心暗鬼になりながらもひとまずチェックポイントへ到着。

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礼文華トンネル(帰ってきた時に撮影)

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旧道入り口(これも帰りに撮影)

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画質が酷いですが、これが旧道区間

そこからは旧道を外れて海の方向へ進んでいきます。ここまであまり下ってこなかった分、ここから一気に下ります。荒れた登山道のような感じで足場が悪く、思っていたよりも時間がかかっているので日が暮れてきてしまいかなり暗いです。けれども小幌本には砂防ダムなどの目標になるものが書かれているので本当に助かりました。

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こんな道です
帰りに撮ったのでライトで照らした場所以外が真っ暗!

次第に海の音が聞こえてきます。道は沢を下っていく感じで流れる水を渡ったり、転んだりすることもありました。そしてやっと海が見えたころには真っ暗でした。ここからあとは海沿いを歩くだけかと思いきや、今度は登り。切り立った場所をジグザグに進んでいくのが大変です。

そんな時に親から電話が。自分の位置情報を共有しているのでこんな場所を歩いて何をするつもりなんだと連絡してきたのです。そりゃあそうですよね。小幌駅へ行くことを伝えると親からは安全に、クマ避けに音楽を大音量で流しながら行きなさいと言われました。

坂を登ったらあとは大丈夫です。急ぎ足で小幌駅へと向かい、真っ暗だった森から街灯の灯りを見つけました。実に30分ほどかけて小幌駅へ到着です。

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夜の小幌駅

到着と同時くらいに踏切の音が鳴り響きます。小幌駅はこんな場所にあるものですからホームが狭く、近くを猛スピードで通過する列車が見れる場所でもあります。そんな場所を警告なしに通過していけば当然危ないのでこうして音が鳴っているわけです。慌ててカメラを構えて通過する列車を撮影しましたが、暗くてヘッドライトしか見えませんね。

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小幌駅ホーム

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通過列車

列車通過後に小幌駅の写真を撮りまして、駅近くにある建物はバイオトイレでした。暗くて駅全体の様子がうまく撮影できないのが残念です。さらに途中で貨物列車も通過したのですが、こちらは明かりがないので真っ暗でした。

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10分くらいしたら戻っていきます。時刻表をみると1時間くらい後に長万部方面への列車があるので、それに乗って明日の朝にまた戻って来ることもできなくはないですが、函館までの計画を考えてそれはやめました。帰り道は道が分かっているので行きよりはマシです。より暗くなったせいで、ライトで照らしている部分しか見えないですが。

自転車のところまで戻るのもやはり30分かかりました。これから静狩峠を越えて長万部のコンビニを目的地に進んでいきます。

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小幌駅へのルートはこんな感じでかなり迂回したルートでした

街灯がないので久しぶりに真っ暗な道を走り、ヘッドライトの電池が少なくなってきたからかライトの照らす力が弱いです。夜の道は路面状況が確認しづらいのも危険なポイントなのですが、道の真ん中であればおそらく大丈夫だろうと堂々と走っていきました。夜だと後ろから車が来たらライトですぐ分かりますし、ライトで照らされていれば道の端を走るのも難なくいけます。

無事に峠も越えて、あとは海岸沿いの平らな道です。明日の夜は十六夜なので、今夜も月が丸くて綺麗でした。1時間ほどで長万部のコンビニに到着、こちらで夕飯を食べていきます。そばを買ってコンビニの駐車場で調理し、つゆプラス生卵でいただきます。

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肉眼で見た方が綺麗に見えました。
まんまるな月と、光に照らされた灰色の雲が空一面に広がります

コンビニで夕食を食べたら今夜の寝床へ向かいます。それで今晩に選んだのは中ノ沢駅です。このあたりの駅は無人駅で、ちゃんとした待合室があるのでそこで泊まらせてもらおうということです。中ノ沢駅以外にもいくつか候補がありますが、ここを選んだのはまず待合室のベンチが横長なこと、それからダルマ駅という、列車の貨車を再利用した待合室だったからです。明日の朝の早すぎる時間に列車が来るわけでもないですし、他の利用者の迷惑にはならないと思います。

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駅へは22時半に到着。待合室は明かりがついていて、中に駅ノートが置いてありました。中を見てみると僕以外にもここで泊まっている人がいるようで、やはり考えることは同じかと思いました。今日はやることも残っていないので寝袋を持ってきて、就寝の準備をしていると踏切が鳴って、列車がこれから通過するのが分かりました。通過して行ったのは貨物列車、やっぱりこの辺りは貨物が多いんですかね。この時間になると駅に到着する列車はもうなく、待合室で寝袋に入っていると23時か24時にパチンと明かりが消えました。

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明日の予定は函館まで行くことです。その後の予定が函館から青森県大間までフェリーに乗り、大間の無料キャンプ場で一泊するので、明日はどのようになっても函館です。函館より手前にはいい感じの宿泊場所がありませんし、北海道に入った時の航路と違うので夜のフェリーに乗る選択肢も無しです。途中には何箇所か寄っていきたい場所があるのでそこも楽しみです。

今日のまとめ

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走行距離    85.4km
走行時間   約6h23min

食費    2642円
雑貨     770円

計     3412円