多忙大学生が自転車で行く日本一周

課題に追われる大学生が日本一周の出来事を記す備忘録的なブログです

124日目 本州最東端の魹ヶ崎はなかなか過酷な道のりの先に 宮古→魹ヶ崎→宮古市川内

<2021年9月28日>

こんにちは、今日は昨日のうちに行けなかった本州最東端の魹ヶ崎へ行き、ふたたび宮古へ戻ってきます。その後、盛岡方面へ国道106号線を走って西へ進んでいきます。しかし、宮古から盛岡までの距離がだいたい80kmで途中には標高700mもある区界峠もあるので、魹ヶ崎までの片道20kmを往復して盛岡まで行くのは無理があります。そこで106号線の途中にある道の駅やJRの無人駅を寝床の候補として峠の途中まで進んでいこうと考えています。

起床は7時です。荷物をまとめて出発しようとしたのですが、ちょっと考えが甘くて列車の時間に間に合わなくなってしまいました。もちろん列車の時間は時刻表を見て調べたつもりでしたが、始発の時間がいつごろで、それから何分間隔で運転されているかを確認しただけでした。なので8時台の列車もあるだろうと勝手に思っていたのですが、7時46分の次は10時前の列車になってしまうのでした。なるほど、列車を利用する学生らの登校時間を考えると8時台では遅いので、もうその時間には運行本数が減ってしまうんでしょう。

宮古駅には昨日やったように荷物をコインロッカーに入れていこうと思っていたので46分の列車は無理です。しかし調べてみたらバスがありますね。8時10分に宮古駅を出発するバスに乗れば頭の中で思い浮かべていた予定通りにことが進みそうです。バスもこれを逃すと次は1時間後なので急いで準備をしました。

急いでコインロッカーに荷物を入れたところで目的のバスが宮古駅のバスターミナルに入ってきていました。スマホで時間を確認してみるともう出発時間になっています。バス停にいる人を乗せたらすぐに出発してしまうでしょう。コインロッカーから目的のバスが停まるバス停までは少し距離があって間に合わない未来しか思い浮かびません。

そこで僕は交差点の方へ走り出しました。ふと思いついたのが宮古駅の次のバス停まで走っていけば間に合うんじゃないかということです。バスターミナルはいろんな行き先のバスで混雑しています。交差点付近も交通量が多いのでバスよりも走ったほうが速いかも!急いで次のバス停の場所を調べて向かいまして、信号に恵まれたこともありバスよりも早くバス停に到着することができました。

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実際に乗るバスはこの写真に写っていない、
すぐ後ろのバスです

無事にバスに乗った時は汗がすごかったです。ここからバスで昨日、自転車を置いてきた津軽石駅まで乗っていきました。所要時間は20分程度で、津軽石駅前のバス停は駐輪場と反対側なので線路を渡って駅の反対側まで行きました。自転車にハンドルバーバッグをつけ、サイドバッグのない軽装で魹ヶ崎まで走っていきます!

津軽石駅からは昨日途中まで走った県道41号線を走っていきます。県道41号線は2つあるのですが、比較的まっすぐな新道の方です。昨日にはじめて宮古駅に到着したときに観光案内所の人に聞いて教えてもらっていたのですが、新道の方が走りやすいしアップダウンも大して変わらないということでした。ということで昨日折り返した坂に到着し、そこから上っていきます。

まず最初は200mほどまで上りました。道は綺麗で荷物も少なく、車も通らないのでそこまでは大変ではなかったです。道路は谷に高架で作られていて、確かに新しい技術を使って作られた新道だなと思います。昔の道であればこんな地形に道はなかなか作れないと思います。

てっぺんまでくると長めのトンネルがあり、そこから今度は下ります。道がきれいなのでなかなか気持ちいいです。坂を下りきったかと思ったあたりに集落があり、これまで大きな道だったのも町中らしいちょっといびつな形になっていたので、あれだけ上ったけどここで終わりかと思っていました。しかし集落を抜けて少し行くとまた下り坂になり、それも結構長いのでどれだけ自分は上ったんだと思いました。

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一番下まできて、そこから山の方へ道が続いていきます。森に入ると上り坂になり、かなりすごい道になっていました。

今までとは違い道幅は広くなく、砂利道になっている部分があったり道の一部が崩落していました。このような道だと端系の中で一番過酷だというのも納得がいきます。そんな中で一番驚いたのはここがバス路線だということでした。

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道の崩落したであろう場所

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完全に砂利道

 

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先を行くバス

こんな道を150mくらい上り、下り坂になったあたりから魹ヶ崎への道が分かれています。ちょうどバス停があるのですが、こんなところで降りる人ってどんな人でしょう。魹ヶ崎へ行くにはどちらにせよ大変ですが、41号線から分かれてからとても急な下り坂になっていました。

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41号線との分岐地点にあるバス停

ブレーキをかけながらゆっくり下っていると前方から歩いてくる人がいました。大荷物を背負っていたのでなんの人だろうと思って通りすぎて振り返ると大きなリュックに日本一周の看板を掲げていて、令和の伊能忠敬と題して歩いている平井佑樹さんでした。なので立ち止まって声をかけ少し話をしました。佑樹さんはTwitterで見かけることがあったので東京から出発していることは知っていましたが、方向と時期を考えたらまさか会えるとは思っていなかったので驚きです。

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令和の伊能忠敬の平井佑樹さん

佑樹さんは魹ヶ崎の駐車場で1泊して、朝に魹ヶ崎へ行ってから今、歩いているということでした。佑樹さんがこれから歩いて行く方向と僕が宮古へ戻る方向が同じなので、おそらく僕が戻るときにもう一度会えるだろうと思います。こんな坂で行く方向も違うので一旦分かれて、後でまた再開することにしました。

佑樹さんにはここからの道は地図で真っ直ぐになっている新道のほうがいいと思いますと伝えたのでいき違うことはおそらくないでしょう。魹ヶ崎では急ぎはしませんが、ゆっくりすることはナシで見にいきます。

坂を下り切って入江の近くに駐車場とトイレがあります。自転車はここへ止めて、魹ヶ崎へはさらに歩いて3.7kmです。本州4端の最後を見に行くために頑張っていきましょう!魹ヶ崎の駐車場はカラスが賢いらしいのでしっかりとハンドルバーバッグの蓋を閉めて歩き始めました。

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駐車場からすぐに歩道は上り坂で、急だったのでこれは疲れそうだなという予感があります。少し歩いて登ったところには東日本大震災津波の看板がありました。ここまで急いで登るのはキツいですよ。

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最初の舗装された区間が終わると登山道のような道になり、道中にはヘビもいました。この旅で生きているヘビはこれが初めてですね。しばらくは上り坂が続き、駐車場から550mのところで灯台までの最高地点に到着しました。標高が110mみたいです。しかしここから先も長く、アップダウンを繰り返した道でした。

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道にいたヘビ

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急ぎめで歩いて50分ほどかかり、やっと本州最東端の碑のある魹ヶ崎の岩場まで到着しました。途中では特別な場所は特にないですが、沢をいくつか越えました。ほぼ橋みたいになっているので濡れることはないですが、魹ヶ崎までの残りの距離の目安にはなるかもしれません。Google Mapに書いてあるコヒガシリ沢を超えたらあと少しですが、それからもう一つ、アカサキ沢があるみたいです。沢はいくつかある上に枯れているものもあったので詳しく覚えていませんが。

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森が開けて正面には本州最東端の碑があります。そのさらに向こうには海が見え、太平洋を往来するフェリーもいました。2つのフェリーが見えたのですが、1つはおそらく貨物船でもう一つは旅客船みたいです。どこからのフェリーかは知りませんが、僕が帰りに利用する名古屋-仙台-苫小牧の航路のフェリーかもしれません。

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旅客フェリーだと思います。
マークを調べればすぐに航路はわかると思います

左側をみると灯台があります。ここから見てこんなにいい感じなら、わざわざその足元まで歩いていかなくてもいいですね。最東端の碑で写真を撮る前に岩場の先の方へ行って海を見にいきました。かなり移動のしずらい足場ですが崖になっているところから海を覗き込むと青色が綺麗でした。高さは北山崎ほどは高くなかったですが、それでも落ちたらおしまいな場所なので岩に背中を当てながらカメラだけ前に出して写真を撮ります。

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崖のあたりからの写真

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下がこんな感じ

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崖から戻り、本州最東端の碑で写真を撮ります。自撮りはいつも通りにやれば普通にできますが、どうせなら灯台と一緒に写った写真が欲しいなと思ったので撮影を試みます。が、カメラを置く土台がないので少し工夫が必要でした。

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本州最東端の碑

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灯台と一緒に!

30分ほど魹ヶ崎で写真を撮ったりしたら戻ります。帰り道だからといって何かが変わることもなく、やはり50分ほどかかりました。途中に魹ヶ崎へ向かう人と何組かすれ違いましたが珍しいですね。普通の人が端に行くのに片道4km弱を歩くほどの興味はないと思うので、トレッキングついでといった感じでしょうか。

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山道から駐車場の海が見えるところまで戻ってきたところ

駐車場に戻ったらハンドルバーバッグがカラスにやられていました。鍵も閉めて中には食べ物なんて無いのに嫌がらせかと思いましたよ。バッグの横をむりやりめくって中から引きずり出したんだと思います。周りに落ちている自分のものと思わしきおしぼりとかを回収して、宮古へ向けて出発しました。

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この隙間をつくって引きづり出したんだと思います

帰り道は魹ヶ崎の駐車場から県道に合流するまでの坂が一番大変でした。漕げるか漕げないかみたいな感じできつい坂がずっとです。写真では横に水が流れていますが、こんな風に流れるのはそれなりに急です。もうちょっと先がもっと勾配がキツくてすごかったです。

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41号線へ合流してからは来た時と同じ感じなので佑樹さんを追って走りました。進んでもなかなか佑樹さんを発見できないので、歩くスピードっていうのはけっこう早いんだなと思いました。それで合流できたのは頂上にトンネルのある峠を越えた坂道の途中でした。大きな荷物を背負っているので遠くからでもわかります。下り坂は自転車に乗っているので楽に下ってしまいたい気持ちもありますが、せっかくなので一緒に話しながら歩きました。

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トンネル出口にて、これから下りはじめるところ

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後ろから佑樹さんを撮ったところ
これよりも近いところはカメラが下を向いてしまっていました

佑樹さんはクラウドファンディングでお金を集めて旅をしているので、それについて色々と聞かせてもらいました。どんな人に支援してもらって、支援してもらった人は何が見返りにあるのかとか。見返りといっても特別な品が欲しい人もいるかもしれませんが、僕も人に支援してくださるときには応援したいからという理由の人が多いです。そういった人に対するお返しはどのようなものがいいのだろうかとか、何を喜んでもらえそうかかとかも話しました。

そうして一緒に歩いて津軽石駅の近くのコンビニまでやってきました。ここで休憩してから佑樹さんと分かれました。佑樹さんはこれから宮古まで歩いていき、道の駅で寝るかなと言っていました。歩きの人にとっては1日の移動距離が限られているので僕がこれから走る距離とはだいぶ差があります。僕は宮古へ戻った後は106号線を走り、道中の道の駅を目指していきます。

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佑樹さんとの2ショット
一緒に話せて楽しかったです!

佑樹さんと分かれて宮古駅へ戻り、サイドバッグを回収したら盛岡方面へ行きます。106号線は川沿いなので上りですが緩やかな坂になっており、割と走りやすかったです。ただ、路側帯はほぼ無いようなものなので車に追い越されるときには注意が必要ですが、ある程度進むと車も少なくなり、四万十川を走ったときのような気持ちよさがあります。

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106号線

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光のすじが綺麗ですね
川の水もすごい綺麗だったんですが、光の関係でうまく表現できていないです

車が少ないのは並行してバイパスが作られたからですね。真っ直ぐにトンネルで進んでいく新しいバイパスは自動車専用なので自転車では走れません。川沿いにぐねぐねと曲がりながらですが、バイパスは途切れ途切れに合流してくるので看板を見ていないと自動車専用の方へ入ってしまうので注意します。

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注意看板

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実際に自動車専用になる場所
僕は右にいかないといけません

JRの駅だと茂市駅のある、新里のコンビニへ到着しました。ここから先にはコンビニがもう無いので夕飯の食材を買っていきます。コンビニではこれから向かう道の駅までの距離や、道の駅まで辿り着けなかった時のためのサブプランを練りました。106号線沿いのJR山田線は無人駅が多いようで、最悪はその駅舎で1泊させてもらうこともできそうです。道の駅までの距離は30kmなので暗い中を走ることに目を瞑れば行けそうに思いますが、峠なのであと250mほど上らないといけません。夜の峠はどこまで行けるのかが未知数なので、このように調査をしっかりしておいたわけです。

コンビニにいる間にあたりはだんだん暗くなっていきました。自転車に乗って走っていると街灯もないのですぐに真っ暗になります。そんなとき、バイパスの合流地点手前で道を横断した動物がいました。暗闇でしたがサイズでだいたいどんな生き物かはわかります。おそらくカモシカです。横断したカモシカは山の上の方までささっと登ってしまい、しまった、撮り逃したなと思っていたら遅れて子どものカモシカが道路を渡りました。子どもカモシカは横断後、坂を駆け上がってはいかずこちらをじっと見ていたので写真に撮ることができました。

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カモシカのこどもの写真
2枚目はブレているのは暗くてピントが合わせられなかったです

バイパスの合流地点は夜になって車が少なくなり、自動車専用道から飛び出してくる車が少し怖くて注意しながら走りました。逆にバイパスと別れた後は街灯がなくて別の意味でちょっと怖いです。集落の駅に列車がやってきた時は車内からの明かりがいい雰囲気でした。あの列車は峠を越えて盛岡まで今日のうちにいくはずです。

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このトンネルはちょっと危ないですね

峠の上り坂はそれなりに大変でしたが不可能ということもなく、結局のところ道の駅やまびこ館まで到着することができました。駐車場には車が4台程度とまっており、寒い峠ですがここで寝ようという人も僕以外にいるようです。

寝袋で寝るのに手頃なベンチを探したところちょうどよくテーブルがあり、そこでは先に夕食を作って食べている人がいました。僕もこれから夕食を作るところなので一緒に話しながら食べることになり、僕は先程のコンビニで買ってきた餃子を作りました。しかしこの宮古餃子、この値段って安いですね。餃子は割と簡単に調理できるのでよかったです。

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自分の用意した夕飯です

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これは夕飯を一緒に食べた方からいただきました
ビールも1缶いただいています。ありがとうございました

 

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最後に夕飯を一緒に食べた方と写真を撮りましたが、ボケていますね
暗くてピントが合わないからか、レンズが曇ったか。

という感じで夕食を食べたらご一緒した方たちは車へ戻り、僕も寝袋を用意して就寝しました。明日はまず盛岡へ行きわんこそばを食べます。それから4号線を南下して花巻までいくとちょうど距離が100kmくらいになるので明日の最終目的地は花巻を予定しています。峠も上ってきたので下りになり今日ほどは大変ではないでしょう。わんこそばのためにも明日はできるかぎりお腹を空かせて盛岡まで走ることにしましょう!

今日のまとめ

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走行距離    89.52km
走行時間    5:47.08

食費    1982円
ステッカー  110円

計     2092円