多忙大学生が自転車で行く日本一周

課題に追われる大学生が日本一周の出来事を記す備忘録的なブログです

45日目 とにかく辛い試練の日 田井ノ浜→室戸

こんにちは、今日は四国の東南端である室戸岬までいきます。田井ノ浜からの距離は大体90kmで、今日から本格的に走ることになりそうです。前半はアップダウンがありますが、後半は山と海に挟まれた海岸沿いの道なので平坦です。一つ問題点があるのは向かい風で、今日はよろしくない予報が出ています。まあ疲れが溜まっていないのでなんとかなるんじゃないでしょうか。室戸岬までは特に観光したい場所もないですね。室戸岬も何もないらしいので今日は走るだけみたいになるかな。宿泊の予定地は室戸岬から少し先の室戸岬港で、高架下の駐車場にテントを張ろうと考えています。

起床は8時、ですがなんだかぽつぽつと雨が降っています。予想外ですが、濡れた状態でテントをしまいたくなかったので勉強とかしながら少し時間を潰しました。そうして雨はやみ、出発したのは9時半でした。現在地は室戸岬までのメインルートである55号線から外れているので、まずはそこへ合流するように進んでいきます。

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カニの道路標識!

道は県道25号線、初めのうちは港町を進んでいましたが、とあるところから急に山道に入り上りが続きました。道はくねくねしていますが、しかしこの道はこれまでの山道と違い路面がきれいです。幅もしっかりあって(普通乗用車1台分ですが)、実際に何台かすれ違いもありました。ここで上りがあるのはしょうがなくて、いずれにせよ55号線も上っていることを考えると大して苦ではありませんでした。山道の景色も好きですしね。

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山が開けたところの写真です

しばらくしたら山を下り、今度は海岸沿いのアップダウンのある道になりました。数キロで山から海へ行って面白いですね。少し進むとこんな場所に観光地の案内が。最初はスルーしようかと考えましたが、室戸阿南海岸国定公園の文字が妙に気になって、やっぱり見ていくことにしました。説明文によると50mほどの岩の中に30mほどの空洞があって、そこに波が打ちつけることで轟音が鳴るみたいです。

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山を降りるところ。線路と(自分に隠れていますが)トンネルがあります

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これが恵比寿洞への入り口


こんなところ誰が来るんじゃいっていうかんじですが、道を歩いて初めは左のルートへ進みました。そちらを行くと上の方まで登っていき、見晴らしの良い頂上に恵比寿洞神社がありました。特別なことはありませんが、お参りをして先へ進みます。

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ちょっと進んで振り返るとこんな感じ。この道路を走ってきました

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上に上がったところの景色と神社!


今度は下り階段になります。途中で柵が途切れて、そこから先に進めるみたいになっていました。まあおそらく波打ち際まで行ける道なんだろうと思って、途中で引き返すつもりで先へ進んでいったら、なんかどんどん先に進みたくなって結局最後まで行きました。そして行き着いた先は恵比寿洞でした。それも階段をそのまま進めば見られる表側ではなく、裏側の海のある方です。これこそまさに求めていた観光地です。険しい道の先に何かがあるって面白いですよね!

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洞窟の方へ進んでいくにつれ、まず思ったのが海がとてもきれいな色だなぁっていうことです。大学でアクリル絵の具を使うときは水で薄めず、必ず複数の色を混ぜて色を作るんですが、まさにそんな感じの絵の具の濃い青緑色です。こんな色が自然に存在するんだって感動しました。

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この画像が一番綺麗に色が出ているかな

で、より奥の方へ進もうとすると足場が波飛沫で濡れていたり、平らでなかったりします。けれどこれが本当に楽しかったです。そこまで進むと音もちゃんと聞こえます。今日は天気もよくてそこまで海が荒れているという感じではないのですが、ドーンという音がちゃんと聞こえました。また、表側からは見えない、左にある洞窟では渦が発生したりしていました。波が当たって面白い箇所がいくつもあるので飽きずにひたすら見ていられそうです。流石に時間の関係でずっとはいられませんが。

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もっと見ていたい気持ちを抑えつつ戻ります。ちなみに恵比寿洞はやっぱり人が来ないのか、海側の岩場にはゴミが全然無く、リポDの空き瓶1つしか見かけませんでした。そして通常ルートに戻り、表側から恵比寿洞を見ますが、こちらも良いのですがやっぱり裏側の方が迫力がありますね!

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そして大満足の気分で出発です。時間は11時ちょっと前で、だいたい1時間くらい恵比寿洞にいましたね。下り道を進んで、途中に恋人岬とかいうものもありましたが日和佐の街まで出ました。ここではなんと日和佐城があって、こういう田舎に天守閣があるのに結構驚きました。だったらピンバッジもあるかもしれないと日和佐駅や道の駅を探しましたがダメでした。道の駅に至ってはトイレに至るまで完全閉鎖されていました。

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恋人岬の景色!

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こちらは日和佐城


しかしこれで55号線に合流です。ここからはひたすら一本道に室戸岬まで進みます。そして55号線に入ってすぐにお遍路さんが前を歩いていました。初のお遍路さんでお話を聞きたかったので自転車を押しながら話しかけてみました。今回出会ったお二人はなんと生徒と先生の関係みたいで、昨日からお遍路をはじめてこれから周っていくみたいです。歩きで周るそうですが、そうするとやっぱり1日で進む距離は20~30kmくらいだそうで、ここから先でお寺の感覚が20kmを超える区間があることを考えると本当に大変そうです。そのほかにも雑談をして、まもなくお別れをしました。お話をしてくださってありがとうございました。頑張ってください!

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そして先にしばらく進むとまた二人組のお遍路さんがいました。なのでこちらにも声をかけてお話をしました。こちらのお二人はご夫婦で、歩きとバスや電車などの移動手段も使って周るみたいです。今の時代だとお遍路にもいろいろな形があるんですね。ちなみにお遍路に行こうと言い出したのは旦那さんのほうで、奥さんははじめてそれを聞いたときはもう驚いちゃったみたいです。

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こちらの方ともしばらく話したら、お二人の宿の前まで着いたのでお別れをしました。お話、ありがとうございます!頑張ってくださいね!

そして、このお話をしているあたりから雨がぽつぽつと降り始めました。恵比寿洞の時は晴れだったのに今日は天気が安定しませんね。しかしそこまでは降っていない状況ですから、ちょっとした山の中を進んでいきます。

何回かのアップダウンを終え、山を抜けるとそこは牟岐(むぎ)です。変わった名前だと思います。そこまで来たところで前方に自転車に乗った人が見えました。リアにサイドバッグをつけていたので四国一周かなと思って話しかけました。そしたらやっぱりそうで、ちょうどそこにあったセブンイレブンで一緒に休憩をしました。こちらの方は社会人で、GWを利用して四国一周をしようとしていたみたいですが時間が足りなくて結局、半周で終わってしまいそうと言っていました。今日の目的地は僕と同じく室戸岬で、じゃあもしかしたらまたそこで会えるかもねというような話をしました。

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そんなで彼は出発しました。僕はここで昼食を取ろうと思って、カップ麺を食べたので時間差出発です。下調べでは室戸岬まではここから10km先のコンビニが最後になるみたいなので、ちゃんと補給をしておきます。

そして問題はここからでした。カップ麺はすぐに食べてしまったので先に行っていた自転車の方を割とすぐ追い抜いたのですが、そこからどんどん雨が強くなっていき、豪雨と呼ぶに相応しい雨になっていきました。しかしこのあたりは雨宿りができそうな場所がなく、そこまで走ろうと思っていたら一向に見つかりませんでした。しょうがないので木の影になっていて少し雨が弱いところでレインコートの下を履き、アウターを脱いで上は半袖一枚になりました。これは今までの経験から、どうせ下の服までびちょぬれになって、雨がやんでもレインコートの下で乾かずに寒いからです。そして着替えたところでまた走り始めます。

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木陰で出発前に撮った写真

雨宿りができそうな場所をさがしながらしばらくすると、お堂のような建物の屋根で雨が遮れそうだったので、いそいでそちらへ向かいました。道沿いではなく空き地の真ん中あたりに建っていたので、そこまでがぬかるみ、陸わかめ?がありましたが、なんとか雨宿りができました。この時間で雨の予報や、次に雨宿りができそうな場所を調べましたが、雨は1時間ほどやまないみたいなので頃合いを見計らって出発しました。ちなみに雨宿りさせてもらったお礼の気持ちを添えてお賽銭とお参りもしました。

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やんだとおもって出発しましたが、少し走っただけでまたかなり降ってきました。2km走る間にさらに服が濡れました。そこでもうどうしようもないと思ってセブンイレブンで休憩をしました。このセブンイレブン、下調べでは見落としていたので発見した時は結構驚きました。温かいものを買って雨宿りしていると親から電話がかかってきたのですが、こっちが雨で大変だと言うとかなり驚いていましたね。親は風が強くて大変だろうと電話してきていたみたいですから。

そしてしばらく待って、雨が一時的に弱くなっても決してやむことはありませんでした。雨雲レーダーを見るとやっぱりしばらく続きそうです。しかし、ここからもう少し進むと高知県に入るんですが、雨雲の範囲はだいたい徳島県に収まっていて、高知県まで抜ければ雨がやむと考え出発しました。

セブンからすぐに上ってトンネルです。トンネルの中は濡れた服が風で寒かったです。そしてトンネルを抜けたら高知県です。まあ、そんな簡単にやんでるわけではないですからトンネルの中から高知県の看板を写真で撮っていましたが、トンネルの先で荷物を積んだ自転車が止まっていました。なぜわざわざ雨の降るトンネルの外で止まっているんだろうと思いながらも話しかけてみると、その方も日本一周をしている人でした。しかもママチャリ。電動ですが、よくそんなので長距離を走りますよね。それで、なぜ止まっているかというと、県境の写真を毎回撮っているんだけどスマホが壊れてどうしようもないみたいです。なので僕が写真を撮って、インスタで送ることにしました。

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この方はウミヒコさんという方で、各都道府県で農家のお手伝いをして日本を周っているらしいです。すごい良いですよね。農家のお手伝い用のアプリがあるみたいで、それを活用するとお手伝い期間の宿や食事も確保できるとのこと。そして、ウミヒコさんはさらに世界を飛び回っていたことがあって、その経験を元に講演なんかもされている方です。僕の地元の名大でも講演をしたことがあるんだそう。

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そして、ウミヒコさんも今日の目的地は室戸岬でした。自分のペースがあるので分かれて走っていきましたが、室戸岬でまた会えると良いですねという感じで追い越し追い越されながら行きました。

高知県に入ってからは山と海に挟まれて、本当に海岸沿いの一本道でした。ここまで来ると車やバイクの数も激減で、そのほとんどが県外ナンバーだったので皆さん観光目的でしょうね。しばらくは雨がやんで服が乾き切るところまでいきましたが、室戸岬まではあと二回ずぶ濡れになりました。特に海岸沿いになってからは風がひどくて、これまでは雨はあれど風が少なく、進み具合は快調だったのですがここからは本当に大変です。地形の湾になって凹んでいる部分は前方の山が風を遮り、割と走れるのですが出っ張っている部分に出た瞬間、暴風が吹いて、進むのがやっとという感じです。一番ひどい時はのっていた速度が3秒くらいでゼロになって、その場で立つことしかできない状況です。僕が今まで経験したどの台風よりも強い風だったと思います。

もちろんそんな風ですから、吹き荒れる雨がとても痛いです。とくに僕は今半袖ですから、顔以外にも当たるんですよね。顔の方はヘルメットでなんとかガードできるんですが、腕はどうにもなりませんでした。しかしこんな雨の中でも結構の数のサイクリストを見かけます。雨雲レーダーを見ようと入った東家では何人か追い越していきましたし、僕と同じように東家に来たサイクリストの人と話をしたりもしました。

で、肝心の雨はもうやむ気配はなく、しょうがないので足元が川になっている東屋を出発します。幸いなことに室戸岬までの途中に温泉があるみたいで、そこで絶対に体を温めようと決心、それを支えに気力で進んでいきました。

途中、雨がやんで服が乾いた頃、温泉まで残り8kmでした。さすがに体が限界に近いような気がして非常食などを食べました。食べても食べた心地がしなくて、どんどんお腹の中に入っていきましたね。夫婦岩のところで止まったときはキットカットを4つ食べてなおまだいけそうな感じでした。いつもなら2個目の時点でくどくなっているのに。

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これは夫婦岩の画像。しっかりは観光せずに行きました

そうして補給をしてラストスパートではまた雨が降りました。ずぶ濡れになって到着したのはシレストむろと。プールを利用したスパ施設ですが、温泉だけの利用も可能です。とっとと濡れた服を脱いで入った温泉はまあ本当に心地よかったです。外の露天風呂はめちゃくちゃしょっぱかったです。

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到着時、すごい濡れています

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そして体を温めて服も着替えたら室戸岬まで行きます。露天風呂に入っている時点で晴れになっていて、予報もこれからはずっと晴れなのでもう大丈夫そうです。ロッカーの鍵を返し忘れて引き返したハプニングもありましたが、19時、室戸岬到着です。噂通り何もありませんでしたが、適当に岩場の先っぽの方まで行って写真を撮りました。ちなみに、こんな時間ですからもちろん他の人とは会えませんでした。

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一応、坂本龍馬像と室戸岬灯台があります

そうしたら次は夕飯の材料を買いに室戸の町のスーパーまで行きます。ここから約6km、寝床に予定していた室戸岬港は過ぎてしまいますが、昨日食べたトルコスパゲッティを今日のこの疲れた状況で食べたくなかったのでわざわざ買い出しに行きます。

スーパーではかなり閉店時間に近かったこともあり、お惣菜はほとんど売り切れで半額で買ったのはだし巻き玉子だけでした。少し残念。そして夕飯は手羽先にしました。パックご飯を鍋で温めて食べようと思います。ご当地飲料のゆずサイダーや、明日の朝ごはんのパンも買います。そのパンも、ぼうしパンといってハットの形をした高知生まれのパンです。

そしてスーパーを出ますが、ここで4km戻って室戸岬港まで行くのはどうかと思い、この先の方で寝床に良い場所はないかなと探しました。すると、行当岬というところがトイレもあってよさそうです。距離もここから4kmなのでここに決定です。戻るのと比べて明日の8kmもアドバンテージを作ることができました。

暗い道を走って行当岬へ到着。こちらでは先客が車中泊1組とテント1張りでいました。テントの方は自転車です。

良い場所を探しながら決定したのは倉庫の前のコンクリート上。マットが分厚くて快適な僕なら平らなここの方が寝心地が良いと思ったからです。そしてテントを張り始めましたが、風に少し苦戦させられました。テントを張った後はとっとと夕飯を作ってしまおうと思います。が、しかし風が思いのほかすごくてランタンが揺れるはテントは動くわで少しイライラします。手羽先は多くて2度に分けたのですが、その1回目を食べている時にもう我慢ができなくなって、荷物が入った状態のままテントを引きづって砂利の方まで移動してペグを打とうとしました。でも、それも無意味で石が邪魔でペグが打てません。やっとのことで芝の場所の1箇所を固定して、テントのそっち側が浮くことは無くなりましたが、入り口のある方からの風がもう本当に大変でした。

移動後も風は強さを増すばかりで、ついには引っ掛けているランタンも揺れで落ちてしまうようになりました。最初に落ちた時はご飯の入った鍋に落ちて本当にもううんざりです。もう本当にめんどくさいですが、テント内の配置も変えて、風上側に自分が寝っ転がるようにして、ご飯を食べたらブログも書かずにすぐに寝ることにしました。とにかく一刻も早くここから抜け出したいので、早く寝て明日ときかく早く出発しようと思ったわけです。

とりあえず今日のできごとはこんなところでしょうか。最後は結局風で寝つきが悪く、夜の間に何度も起きちゃいました。普段はそんなことないのに。もう本当に1日を通して試練の日っていう印象です(恵比寿洞は良かったですが)。まあ良くも悪くも本当に充実した日でした。文章量からもそれがわかると思います。

今日のまとめ

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走行距離    101.23
走行時間    5:45.04

食費    2395円
入湯代    550円
計     2945円

明日はできるだけ早く起きて、できるだけ早く目的地の高知に到着して、今日の分を含めたブログと課題をやりたいです!あと、最初の2組以外にもお遍路さんを何人も見かけました。僕が思っているよりもお遍路さんはずっと多いみたいです。